当協会は「下水道処理施設の維持管理員の技術力向上」を目的に、毎年全国6会場にて「技術特別講習会」を開催しています。
平成21年度も下水道事業の業務に携わっている方を対象に、協会員以外にも門戸を広げて実施し、一般の方にも多数参加いただきました。
講義内容は機械・電気・水質の3分野に分けたカリキュラムにて実施し、更に下水処理施設の長寿命化への対応、下水道事業における温暖化防止対策、大規模地震への対応についての事例研究も取り入れています。
1.はじめに
下水道施設の維持管理業務は業務の効率化、ライフサイクルコストの縮減、施設の延命化が求められ、大きく変化しています。業務の円滑な遂行にあたっては蓄積、共有してきた技術を基に、総合的な運転管理技術者としての技術力向上を図る必要があります。
当協会は「維持管理員の技術力向上」を主要活動の一つとてしており、その趣旨に沿って機械・電気・水質各々の3分野で経験・知識とも豊富な9名の講師陣により毎年全国6地区で技術特別講習会を開催しています。又、講習会終了後のアンケートのみならず、地区協会員の協力のもと事前アンケートを実施し、講義内容に地域特性を反映させています。平成21年度の各支部の開催日及び開催地は下記の通りです。
支部名 |
開催日 |
開催地 |
北海道支部 |
10月6日 (火) |
札幌市 |
東北支部 |
10月14日 (水) |
仙台市 |
東部支部 |
10月22日 (木) |
東京都 |
中部支部 |
10月28日 (水) |
名古屋市 |
西部支部 |
11月5日 (木) |
大阪市 |
九州支部 |
10月23日 (金) |
福岡市 |
(講習時間はいずれの会場も10〜17時)
2.講習内容
機械・電気・水質の3分野に分けて、基本的事項、最近の動向等をふまえた講義内容となっています。
平成21年度のカリキュラムは下記の通りです。
第1章 機械設備編
(1)保守作業の進め方
(1)保全作業に対する心構え
(2)点検時の留意事項
(3)日常点検
(4)定期点検におけるP-D-C-Aの例
(5)法定点検におけるP-D-C-Aの例
(6)故障対応
(2)長寿命化への対応(汚泥かき寄せ機の例)
(1)下水道長寿命化とは
(2)長寿命化計画策定のフロー例
(3)簡易的な診断フローの提案(汚泥かき寄せ機の例)
(3)事例研究(大規模地震への対応)
第2章 質的管理編
(1)水の循環と下水道
(2)現行下水道法の制定と下水道の役割
(3)下水道関連法規
(1)環境保全にかかわる法律
(2)放流基準と計画放流水質
(4)水処理の質的管理
(1)生物処理の基本原理
(2)水処理プロセスの管理
(5)汚泥処理の質的管理
(1)濃縮
(2)汚泥調質
(3)汚泥脱水
(4)汚泥処理の総合管理と返流水対策
(6)下水道事業における温暖化対策
第3章 電気設備
(1)電気の基礎知識
(1)電気の基礎知識
(2)電気設備
(2)電気設備の事故、故障例
(1)電気設備
(2)関連設備
(3)工事関連
(3)事故・故障を無くすには
(1)事故を無くすために
(2)故障を無くすために
3.今までの受講者数
平成元年に当協会が法人化されて以来21年間で既に6,447名が受講して終了証が交付されました。
平成16年度以降の各支部別及び全国での受講者数は下記の表の通りですが、平成21年度はおかげ様で405名の参加者があり、協会の会員外および自治体・公社の参加者も67名の出席をいただきました。
ご協力ありがとうございました。
講習者受講者数 (単位:名)
年度 |
北海道 支部 |
東北 支部 |
東部 支部 |
中部 支部 |
西部 支部 |
九州 支部 |
全国 |
平成16年 | 37 | 32 | 76 | 46 | 52 | 41 | 284 |
平成17年 | 42 | 34 | 84 | 35 | 53 | 45 | 293 |
平成18年 | 38 | 33 | 67 | 33 | 73 | 50 | 294 |
平成19年 | 37 | 38 | 68 | 41 | 69 | 53 | 306 |
平成20年 | 48 | 39 | 86 | 47 | 89 | 87 | 396 |
平成21年 | 35 | 45 | 105 | 58 | 89 | 73 | 405 |
 東京会場
 大阪会場
4.おわりに
これからも講師陣・研修委員会一丸となって内容の充実に努力していきます。協会員の皆様は勿論のこと、各自治体の方、下水道施設に係りのある方にも多数出席して戴ければ幸いです。
ご協力宜しくお願いします。
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